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ー19ー キリスト教的な希望 (2018.10.07)

   希望は信仰と愛の支えであり、神の内にのみ揺るぎない土台を見つけます。キリスト者は神に希望をおくものです。神の忠実さ、神の約束や契約は人の内に希望の芽を芽生えさせ、成長させ、育てます。希望なしに人は幸せに生きることは出来ません。「このキリスト教的な希望は、魂にとって頼りになる、安定した錨のようなものです」(参照:ヘブライ6,19)とパウロが証ししています。

  人生の災いや試練や思いがけない出来事のせいで、簡単に絶望する人々に対して、人となったイエスは全人類に大きな希望を与えました。しかし信仰によってのみこの希望に近づき得(う)ることができます。キリストがもたらす希望は霊的なものであり、特に、永遠の命と神の栄光に満たされた救いに向けられています。

   世界を絶えず攻撃し、傷つける不幸と苦しみにも拘らず、教会の希望は喜びで満たされています。キリスト者はアブラハムと同様に「希望のないときにも、なお希望することが出来ると信じる」(参照:ローマ4,18)人です。なぜなら、キリスト者は神の愛の契約とキリストの約束に依り頼みむ人であり、神の忠実さは本人の信仰と愛と忠実さを支え、その人を強めるからです。キリスト者はまた神と共に次のことを望みます。つまり「神の栄光のために、すべてがキリストの内にまとめられること」(参照:エフェソ1,10)や「すべての人の救いを望むこと」(参照:1テモテ 2,4)です。希望はどうしても神の愛とその救いの計画にぴったりしなければならないからです。

   簡単に言えば、キリスト者の希望とは神の現存を求めてやまない愛の心からの切願にほかならない貴重な恵みです

-20- 秘跡    (2018.10.14)

 教会の教えによると秘跡とは、秘められた神のみ業(わざ)の「目に見えるしるし」であり、それによって人は神の恵みを受け、また既に受けた恵みを強められます。 キリスト者は一生涯のあらゆる節目に、このような秘跡を通じて教会と共に歩んでいきます。

 カトリック教会は「救いの秘跡」とも呼ばれています。教会は7つの秘跡を授けています。それはご存知のように、洗礼、聖体、堅信、赦し、結婚、叙階、と病者の塗油です。


これらの秘跡を授ける人を、秘跡ごとに詳しく述べます。

*洗礼を授ける人は、通常の場合は司教か司祭、助祭です。
 しかし、緊急の場合には誰でも(洗礼をまだ受けていない人であっても)洗礼を授けることができます。

 その場合、必要な意向を持って教会の定める洗礼の言葉を唱える必要があります。

*堅信の秘跡、赦しの秘跡、病者の秘跡を授ける人は、司教か司祭だけです。

*聖体の秘跡は、ミサの中で聖変化を行うのは司教・司祭です。
  しかし、聖体拝領の時に聖体を与えるのは助祭や聖体奉仕者でも出来ます。

*叙階の秘跡は、司教だけが授けることが出来る秘跡です。

*結婚の秘跡は、司教、司祭、助祭です。教会の2人の証人の前で司式され、結婚する信者同士が秘跡を授け合うとされます。
 

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-21- 天使たち (その1)  (2018.10.21)

 キリスト者は全能の神が天と地、見えるものと見えないものの造り主であることを固く信じます。そして「天にあるものを捜し求めよう」と言うキリストの勧めに従おうと努力します。天にあるものとは、神の恵みだけではなく、天使と聖人の親しさと助けでもあります。特に、天に居て見えない世界に属し、霊である天使は人々に与えられた神の特別な賜物です。
 
 神の世話をする天使には、私たちに対しても様々な役割があります。その中で最も大切なことは、人々が真理と霊のうちに神を礼拝するように教える事です。そして、神の望みにかなった生活をさせ、あらゆる面で私たちが神を喜ばせる聖霊の実を結び、救いの神秘を味わい、愛の完成にまで至るように、天使たちは謙遜に忠実に私たちを導こうとします。詩編作家ダビデ王は「主よ、天使と共に私は歌います。あなたの神殿で礼拝し、あなたのみ名を讃えましょう」と言っています。ミサ祭儀の時、キリスト者も、ダビデと同じように「神を仰ぎ、神の権能を敬うすべての天使たちと共に喜び祝い、声を合わせて、神の栄光を終わりなく歌い、謹(つつし)んでで讃(たた)えます」。

 人が生まれる時に、神は一人ひとりに伴い、守り、助ける永遠の保護者と仲間として一人の天使を遣わします。この天使は『守護の天使』と呼ばれています。神が人間に就(つ)けた天使で、その守護する対象に対して善を勧め、悪を退けるようその心を導くとされています。また神の救いの計画の完成のために、各司祭、各教区と小教区、各国にはもう一人の天使が与えられています。ご存じのように日本の保護の天使は、大天使ミカエルです。神からいただいた自分の守護の天使とよく話し、親しい関係を結び、また感謝することは当然なことではないでしょうか。そうするように、大勢の聖人の体験が私たちを誘っています。
 

-22- 天使たち (その2)       (2018.10.28)

 神によって造られた天使たちは被造物であり、霊でもあります。神を仰ぎ見るものとして天使たちは聖なるものであり、知恵と力に優れています。
教皇聖グレゴリウス1世教会博士の教えによると、天使には厳密な階級制度があり、9つの階級に分かれています。それぞれ3組ずつ3隊に分かれて神の使命を全うしているのです。

*上のレベル(上級三隊)
 セラフィム、ケルビム、玉座(ぎょくざ)…この天使たちは、天と神の世話係です。

*中間のレベル(中級三隊)
 主(しゅ)天使・力(りき)天使・能(のう)天使…この天使たちは、天と地の交わり係で、対立するものの調和の役目を担い、相対するものの均衡を保ち ます。

*下のレベル(下級三隊)
 権(けん)天使・大天使・天使…この天使たちは、人間の世話係で、人間にもっとも近い存在にある天使たちです。

 聖パウロと聖ペトロは手紙の中で天使の階級を語っています(参照:エフェソ1,21、1ペトロ3,22)バチカンの教会会議が行なわれる前に、天使たちの階級のリストはミサ祭儀の奉献文として先立っていました。

 天使たちについて細かく知らなくても構いません。しかし天使たちの助け、守り、教え導きを願うことは肝心なことです。私たちが生きているうちに、この世で既に与えられている永遠の友である天使たちと親しい関係を結びましょう。

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